日本人にとって、「a」と「the」の使い分けは難しいですよね。
…と投げやりな気持ちになるのもよくわかります!
「a」と「the」は、文法用語で『冠詞』といいます。
『冠詞』は日本語にはないため、日本人にとって訳しづらく、英語初心者~中級者が使いこなすのはなかなか難しいものです。
今はたくさん間違ってもいいので、まずは「a」なのか「the」なのかを自分で考えて使ってみましょう。
使っているうちにだんだんと感覚をつかめるようになるので安心してください。
この記事では、「a」と「the」を使い分けるコツをまとめました。
初心者でも実践できる英語の冠詞『a』と『the』の使い分けを簡単に理解するためのコツを紹介します。
これをヒントに英語を書くときや話すときに意識してみてくださいね。
「a」と「the」を簡単に使い分けるコツ
「a」と「the」をうまく使い分けるコツは2つあります。
- みんなが同じモノを思い浮かべるモノには、いつも「the」を使う
- 話の最初に出てくるモノには「a」、2回目以降には「the」を使う
「a」と「the」の使い分けは、ほとんどがこの2つのどちらかに当てはまります。
具体例を見ていきましょう!
みんなが同じモノを浮かべるモノには、いつも「the」を使う
さっそくですが、ちょっと質問です。
- 太陽を思い浮かべてください
- ホワイトハウスを思い浮かべてください。
- トランペットの音を思い浮かべてください。
こう質問されたときに思い浮かべる絵(イメージ)は、誰もが共通したひとつのモノを指しているはずです。
- 誰しもが思い浮かべる太陽は、空に浮かんでいる「あの太陽」ひとつしかありません。
- 誰しもが思い浮かべるホワイトハウスは、アメリカのワシントンDCにある「あのホワイトハウス」ひとつしかありません。
- 誰しもが思い浮かべるトランペットの音は、Jazzyに響く「あのトランペットの音」ひとつしかありません。
このように、みんなが思い浮かべるモノがひとつの共通したモノを指している場合、英語ではいつも「the」を使います。
- the Sun
- the White House
- play the trumpet
似たような例で「a」を使うケースも判断できます。
- 町を思い浮かべてください。
- 白い家を思い浮かべてください。
- 車を思い浮かべてください。
こう質問されるとどうですか?
- 世界にはいろんな町があるので、人それぞれ思い浮かべる町は異なります。
- 形や大きさが違う白い家はたくさん存在するので、人それぞれ思い浮かべる白い家は異なります。
- 車には色や形が異なるいろんな種類があるので、人それぞれ思い浮かべる車は異なります。
このように、同じ名前でも異なる種類のモノがたくさんある場合には、英語では「a」を使います。
- a city
- a white house
- a car
みんなの共通認識のモノには「the」を使う!
アレかもしれない…コレかもしれない…と、いろいろな種類が思い浮かぶモノには「a」を使う!
みんなが同じモノを思い浮かべる=共通認識
「太陽」のように、この世にたったひとつだけの存在に「the」を使うのは簡単ですが、実際の会話ではもう少し複雑です。
- 同じ部屋にいる母親に、「Open ● the window.(窓を開けて。)」と言われます。
- 夕食の準備ができた母親に、「Sit down at ● table.(食卓について。)」と言われます。
- 同じ部屋にいる母親が「窓を開けて」と言ったのは、車の窓でも教室の窓でも社会の窓でもありません。
「どの窓?」と聞かなくても、部屋の窓だということは、会話をしている二人の共通認識です。
- 夕食の準備ができた母親が「食卓について」と言ったのは、学校の食堂でもレストランのテーブルでもありません。
「どの食卓?」と聞かなくても、おうちのダイニングにある食卓だということは、会話をしている二人の共通認識です。
言い換えると、もしこの状況で「どの窓?」「どのテーブル?」と、第三者に尋ねられたとすると、二人が指さすモノはひとつしかありませんね。
このように、対象が限定されるときに「the」が使われます。
聞き手や読み手が、同じモノを思い浮かべるのか→「the」を使う、それともモノを限定するには情報が足りないのか→「a」を使う、で判断してみてください。
話の最初に出てくるモノには「a」、2回目以降は「the」を使う
「a」と「the」の使い分けで、自分が短いストーリーを話すときに意識するコツがあります。
話の最初に出てくるモノには「a」を使い、そのモノについて話す2回目以降は「the」を使うということです。
例えば、友達にこんな話をするとしましょう。
(昨日スーパーに行ったら、大きなカバンを持った女性がいた。)
The supermarket was very crowded.
(そのスーパーはすごく混んでいた。)
I happened to see that the woman suddenly put a snack into the big bag.
(たまたま、その女性がその大きなカバンにスナック菓子を入れたのを見てしまった。)
I’m sure she stole the snack.
(スナック菓子を盗んだに違いない。)
- supermarket
- woman
- big bag
- snack
4つの名詞が出てきますが、どれも初めて登場したときには「a」が使われ、2回目以降は「the」が使われているのに気が付きましたか?
これも、話相手である友達との『共通認識』で説明ができます。
初出の段階では、友達との共通認識が何もない状態なので、「どのsupermarket?」「どのwoman?」「どのbig bag」か友達には全くわかりません。
なので、冠詞は「a」になります。
「昨日スーパーに行ったら、大きなカバンを持った女性がいた。」と友達に話したことで、
「昨日行ったsupermarketのこと」「スーパーにいた大きなカバンを持ったwomanのこと」「スーパーにいた女性が持っていたbig bagのこと」という共通認識ができました。
共通認識があるモノについて話しているので、2回目以降は「the」が使われます。
スナック菓子についても同様です。
最初に出てきた時点では、スーパーに陳列されているスナック菓子のひとつにすぎず、限定できないので「a」が使われます。
2回目以降は、「女性がカバンに入れたお菓子」と限定しているので「the」になります。
まとめ
日本人にとって「a」と「the」の使い分けは難しいですが、あきらめずに使い分けられるようになりたいですね。
この記事では、使い分けるコツを2つ解説しました。
- みんなが同じモノを思い浮かべられるものには、いつも「the」を使う
- 話の最初に出てくるモノには「a」、2回目以降は「the」を使う
ポイントは、話をしている相手との『共通認識』です。
今日から、英語を話すときや英文を読むときには、この2点を意識しながら「a」と「the」に着目してみてください。
「気付き」が「学び」に変わりますよ。
最初にも書きましたが、たくさん間違えながら覚えていければ大丈夫です。
間違いを恐れずに、がんばりましょー!