英会話中、「言いたいことはあるのに、文と文がうまく繋がらない」と感じたことはありませんか? 単語は出てくるけれど、話が途中で止まってしまう。接続詞を使ってみても、なんだか不自然…。そんなスピーキングに関する悩みは、多くの日本人英語学習者が抱えています。
本記事では、スピーキング中に文と文を自然につなげるための具体的な方法と、第二言語習得論に基づいた学習アプローチを紹介します。話す力を伸ばし、論理的でわかりやすい英語が話せるようになるヒントをお届けします。
なぜ英語で話すと文が繋がらないのか?その原因とは
スピーキング中に文がうまく繋がらない原因には、次のようなものがあります。
- 接続詞の使い方が分からない
- 接続詞のバリエーションが少ない(”and”や”but”ばかり)
- 話の展開をあらかじめ考えていない
- 思考の順序が頭の中で整理されていない
- 文章の構造を耳でインプットしていない
- 自分の発話を客観的に確認していない
特にスピーキングでは、即興で文を組み立てる必要があるため、準備不足や表現の型を持っていないと詰まりやすくなります。実際に話してみることで、自分が「どこで詰まるか」「なぜ繋がらないか」が見えてきます。
解決策1:会話でよく使う接続詞をマスターする
スピーキングで活躍する接続詞を、機能別に覚えておきましょう。丸暗記ではなく、例文と一緒に覚えるのがポイントです。
順接(因果・追加)
- because(なぜなら):I like this restaurant because the food is great.
- so(だから):It was raining, so I stayed home.
- and(そして):I went to the store and bought some fruit.
- also(それに):She is kind. Also, she is very smart.
逆接(対比・譲歩)
- but(でも):I studied hard, but I failed the test.
- however(ただし):I like traveling. However, I don’t enjoy flying.
- although(〜だけど):Although I was tired, I went to the party.
- even though(〜にもかかわらず):Even though it was cold, we went outside.
例示・補足・要約
- for example(例えば):I love sports. For example, I play tennis every weekend.
- I mean(つまり):He’s a bit odd. I mean, he doesn’t talk to anyone.
- on the other hand(一方で):I love summer. On the other hand, winter is too cold for me.
- in short(要するに):In short, I think we need more time.
使い方が分かったら、自分でも例文を作り、それを実際に声に出して使うことが大切です。
解決策2:日本語でも話の構成を意識する練習を
話す力を高めるには、まず母語である日本語でも「順序立てて考える」意識を持つことが大切です。PREP法(Point→Reason→Example→Point)を使えば、短時間で話を整理できます。
例:
- Point:私は毎日英語を話すようにしています。
- Reason:話すことで反応速度が上がるからです。
- Example:例えば、オンライン英会話で以前よりスムーズに話せるようになりました。
- Point:このように、日々話すことは会話力アップに効果的です。
このような構成を日本語で意識できれば、英語に変換する際も迷いが減ります。また、英語に訳す前に日本語で話の「設計図」を作る習慣をつけることで、思考が整理され、スムーズなスピーキングに繋がります。
解決策3:スピーキングで接続表現を使う練習法
実際に声に出して練習することで、接続詞の運用力が高まります。
おすすめ練習法
- スクリプト音読+応用練習:モデルスクリプトを音読後、自分の体験に置き換えて話す。
- シャドーイング+言い換え練習:音声を真似しながら、接続詞を使って自分の文に変換する。
- 3文スピーキングチャレンジ:1つの話題について、3文以上で話す練習を毎日行う。
- 接続詞くじ練習:カードに接続詞を書き、ランダムに引いたもので即興スピーキングする。
- 録音して振り返り:自分の話を録音し、どの接続詞を使ったか・文の流れが自然だったかを確認する。
こうした練習を重ねることで、「接続詞を使った自然な話し方」が習慣化されていきます。
第二言語習得論に基づくアプローチ:スピーキングにもインプットが必要
第二言語習得論(SLA)では、話す力を伸ばすには「インプット」と「アウトプット」の両方が重要だとされています。
特にスピーキングにおいては、次のような段階的アプローチが効果的です。
- 良質なインプット:ドラマ、ポッドキャスト、英会話スクリプトなどで自然な接続詞の使い方を観察する。
- 分析と模倣:気になった表現をノートに書き出し、自分の言葉として使ってみる。
- 反復練習:フレーズ単位ではなく、文脈の中で繰り返し練習する。
- フィードバック:英会話レッスンで講師に「自然に聞こえたか」「より良い表現はあるか」尋ねる。
「見て・聞いて・真似して・使って・直す」という循環を回すことで、表現はよりスムーズになっていきます。
まとめ:英語で話を繋げる力は練習で身につく
スピーキング中に文がうまく繋がらないという悩みは、多くの学習者に共通する課題です。しかし、接続詞の理解、構成力の強化、実践的な音読・発話練習を続ければ、確実に改善されます。
まずは会話でよく使う接続詞を覚え、PREP法で話の構成を意識しながら、声に出して練習を重ねましょう。録音・振り返り・フィードバックという「気づき」を得るサイクルも非常に効果的です。
英語は「つながりの言語」。あなたの思考と言葉がつながれば、自然で伝わる英語が話せるようになります。学びの過程を楽しみながら、一歩ずつ前進していきましょう。