英語での会話中に、すぐに返答するのが難しいと感じたことはありませんか?
これは多くの英語学習者が直面する問題であり、その原因と対策を理解することで、瞬発力を高め、会話をスムーズに続けることができます。
この記事では、英語の処理速度、概念化、文章化、そして会話のキャッチボールを続ける方法について詳しく解説します。
英語の処理速度(リスニング時の理解度)
英会話をしているときに相手が言っていることを完全に理解するまでに時間がかかったり、自分の理解が正しいか自信が持てない場合があります。
これは英語の処理速度が不足していることが原因です。
対策
リスニング力を強化するために、リピーティングや音読などの学習を行う際、日本語の意味や情景をイメージしながら英文を声に出すことを意識してみてください。
頭の中で、意味と単語・文章がつながる速度が上がっていきます。
- リピーティング: 英文を聞いた後に、そのまま繰り返す練習をします。リピーティングにより、脳内での英語の処理速度が向上します。
- 音読: 英文を見ながら声に出して読む練習をします。情景を思い浮かべながら行うと効果的です。音読は語彙の定着にも効果があります。
頭の中で、意味と単語・文章がつながる速度が上がっていきます。
英語的な概念化の仕方・概念化の速度
相手の言っていることは理解できても、自分の考えを英語でまとめるのに時間がかかる場合があります。
これは、英語的に物事を考えられていなかったり、日本語で考えている内容が複雑すぎるときによく起こります。
対策
英語の概念化は日本語よりもシンプルです。まずは結論をシンプルな文章で述べ、その後に細かい説明を追加するようにしましょう。
結論をシンプルに
最初に述べる文章は、結論文です。相手の質問に対する返答や、自分の考えていることの核となる情報を述べましょう。
複雑に長い文章にする必要はありません。むしろ誰が聞いてもわかるようなシンプルな文章を心がけてみてください。
二文目以降で詳細に話す
二文目は、理由や補足など、詳細な情報を加えて相手がより理解できるように話しましょう。
理由・例・詳細・補足・根拠など、様々な角度から情報を補足してみてください。
Fillerを使う
すぐに考えがまとまらないときは、「That’s a good question. 」「Let me think.」などと最初に述べると、自分の考えを整理する時間が取れます。
これにより、会話の流れを止めずに進めることができます。
事実と意見を切り分ける
事実と意見を分けて考えましょう。
日本語は、あいまいな表現が多いので日本語で考えたことをそのまま英語にすると伝わりにくくなることがあります。
事実は、変に枕詞を加えずに言い切り、意見であれば、「I think…」「In my opinion…」などを加えて、意見であることを示しましょう。
自分の意見を堂々と述べるコミュニケーションが望まれる反面、相手の意見を真っ向から否定しないようにしましょう。
事実に正解・不正解はありますが、意見に正解・不正解はありません。
英語的な文章化の仕方・文章化の速度
言いたいことはあるのに、即座に英語の文章にできないことがあります。
これは、文法知識不足、語彙力不足にも原因がある場合がありますが、中学校レベルの文法を「使えて」いれば、コミュニケーションに困ることはありません。原因はほかにあります。
日本語と英語は、文法が大きく異なります。
日本語は主語を省略することが多いため、言いたいことを英語で文章にするときに、何の主語から文章を始めようか思考するプロセスが入ってしまいます。
また、動詞や目的語の位置も日本語と英語では大きく違いますよね。英語での文章化速度を上げるために、いくつかのトレーニングがあります。
対策
日本語と英語の文法の違いを理解し、以下のトレーニングを行いましょう。
思い浮かんだ主語から文章作る練習
どんな主語から始めても文章を言い切れるようにする練習です。
例えば、「明日は晴れるでしょう」と英語で言いたいとき、パッと頭の中に思い浮かんだ主語が「Tomorrow」であれば、「Tomorrow..will be sunny.」。
最初に思い浮かんだのが、「It’s」だったのであれば、「It’s…going to be sunny tomorrow.」。「It」であれば、「It…will be sunny tomorrow.」。Sunnyであれば、「Sunny…weather is expected tomorrow.」のように一番最初に頭に浮かんだ主語をとりあえず声に出して、そこからつながる文章を考えて話すことです。
最初に主語を発したら、そこからSVOの形になるように文章にしていきます。
文法に多少誤りがあっても気にする必要はありません。即座に何も答えなければ相手に伝わる情報量はゼロですが、文法が間違っていてもある程度伝わりますしコミュニケーションは成立します。
どんな主語からも話せるようにするには、「Sunny weather will be expected」のように、受動態を使えるようにしておくと、文章を作る力もつきますし、文章を作る速度も上がります。
会話のキャッチボールを続かせる
会話がすぐに止まってしまい、相手から質問をしてもらうのを待ってしまう場合があります。
オンライン英会話などを続けていけば、講師から質問されれば答えることはできるようになってきますが、会話を広げたりリードしたりするのはハードルが高いと感じる方は多いのではないでしょうか。
日本語であれば、自然に何かをとっさに言って会話を続かせられる人でも英語となると、何を言えばいいか、どういえばいいかわからないという方は多いです。
対策
相手の発話に対してリアクションをしたり、相手にも質問を投げかける練習をしましょう。
形容詞のバリエーションを増やす
形容詞のバリエーションが増えれば、That’s ~ / That sounds ~ で無限にリアクションをすることができます。
すぐにバリエーションを増やすことは難しいので、「良い・悪い・嬉しい・悲しい・楽しい・辛い」など基本の感情を英語で即座に言えるようにしておきましょう。
- That’s ~ : That’s great ! (すごいね!)
- That sounds ~:That sounds great !(すごく良さそう!)
形容詞のバリエーションを増やすことで、会話の幅が広がります。
同意・不同意の表現を練習
相手への同意・不同意も会話には欠かせません。
「I think so too.」 「I agree.」「That’s true.」のような同意の文章や、
「I actually don’t think so.」「I’m afraid I don’t agree.」「I don’t know if that’s true.」 のような不同意の文章をとっさに言えるように準備しておきましょう。
自分の意見を述べる
That’s ~ / That sounds ~ / 同意・不同意の表現を使った後に、自分の考えや意見を述べましょう。
リアクションをすることで自然な会話の流れになりますし、英語でのコミュニケーションは正解・不正解ではなく、お互いの気持ちや意見を言い合うことで理解しあう言語なので、積極的に自分の考えを述べるようにしましょう。
このスキルを身に着けると、自然な英語話者としての会話を目指すことができます。
他の原因と対策
語彙力に関しては、第二言語として英語を学ぶ限りずっとつきまとう課題です。そのため、語彙力は常に向上させていく必要はあります。
文法力に関しては、中学高校レベルの文法事項を忘れてしまっている場合は、おさらいしておきましょう。
しかしながら、最も大切なことは、知っている知識を「使える」ようにすることです。
インプットは大切はありますが、ずっとインプットばかりしていても一生しゃべれるようになりません。
不十分な知識であっても、持っている知識を総動員して「話す・使う・アウトプットする」練習が不可欠です。そのことを忘れないようにしましょう。
文法の理解不足
英語の文法を理解していないと、文章を作るのに時間がかかる場合があります。
対策
文法の基礎をしっかりと学習し、理解を深めましょう。以下のような方法が効果的です。
- 文法書の活用: 例えば、『English Grammar in Use』などの文法書を使って学習します。
- 文法問題集の活用: 文法問題を繰り返し解くことで、文法の理解を定着させます。
語彙力の不足
必要な単語が瞬時に出てこない場合、会話がスムーズに進まないことがあります。
対策
語彙力を増やすために、以下のような方法が効果的です。
- 単語帳の活用: 頻出単語を覚えるために、単語帳を使って学習します。
- アプリの活用: 例えば、『Anki』や『Memrise』などのアプリを使って単語を効率的に覚えます。
まとめ
英語の処理速度や概念化、文章化、会話のキャッチボールを改善するための具体的な対策を紹介しました。
日々の練習に取り入れて、効果的に英語力を向上させましょう。
英語での瞬発力を高めることで、会話がスムーズになり、自信を持って英語を使うことができるようになります。
本当に、スムーズに話すのって難しいですよね!日本語でも難しいと感じることがあります。ときには、英語力の問題ではなく、自分の言語化が弱いことが原因だと考えられるケースもあります。英語はローコンテクスト文化なので、なおさら言語化が求められます。普段からニュースや景色などを見て、自分の意見や考えを言語化することを心がけておきましょう。
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