使役動詞「have」「make」「let」の違いと使い方

英語の使役動詞「have」「make」「let」の違いって、意外と迷いませんか?
どれも「〜させる」と訳されることが多いですが、ニュアンスや使い方に微妙な違いがあります。

この記事では、3つの使役動詞それぞれの意味・特徴と、具体的な使い分け方を解説します。例文と比較表も使って、直感的に理解できるようにまとめました。

「have」の使い方・特徴

「have」は「〜してもらう」「〜させる」ときに使いますが、依頼や業務上の指示など、比較的穏やかな使役です。

上司が部下に仕事を頼んだり、誰かにサービスを受けるような場面で使われます。自発的な行動を促す感じもあります。

【例文】

  • I had my assistant book the tickets.
     アシスタントにチケットを予約してもらいました。

  • She had the mechanic check her car.
     彼女は整備士に車を点検してもらった。

  • We had the room cleaned before the meeting.
     会議の前に部屋を掃除してもらった。


「make」の使い方・特徴

「make」は「強制的に〜させる」という意味で、相手の意思に関係なく行動させるニュアンスです。

命令的・強制的に感じられる場面でよく使われます。力関係がある印象です。

【例文】

  • The teacher made us write an essay.
     先生は私たちに作文を書かせた。

  • They made him apologize.
     彼らは彼に謝らせた。

  • The movie made me cry.
     その映画は私を泣かせた。


「let」の使い方・特徴

「let」は「〜させてあげる」「〜するのを許す」といった意味で、相手の自由意志を尊重する表現です。

相手が何かしたいと思っていることを、許可・容認するイメージです。

【例文】

  • My parents let me stay out late.
     両親は私が遅くまで外にいるのを許してくれた。

  • Let him go.
     彼を行かせてあげて。

  • She let the children play outside.
     彼女は子どもたちを外で遊ばせた。


「have」「make」「let」によく使われるパターン(+動詞の原形)

これら3語の後には、人+動詞の原形が続くのが基本パターンです。
ただし、「have」は受動的な意味を出すときに 過去分詞 を取ることもあります。

【例文(すべて和訳付き)】

  • I had him fix my computer.
     彼にパソコンを修理してもらった。

  • She made me clean the kitchen.
     彼女は私に台所を掃除させた。

  • They let us enter the club.
     彼らは私たちがクラブに入るのを許した。


用法比較表

観点 have make let
定義 誰かに〜してもらう 強制的に〜させる 許可して〜させる
主な意味 依頼・指示 強制・影響 許可・容認
よく使う文脈 ビジネス・サービス 命令・影響 子育て・許可
使用頻度や印象 丁寧で穏やか 強くて命令的 優しく柔らかい
I had him help me. She made me cry. He let me drive.

「have」「make」「let」の後に続く語(使われる語の例)

使用シーン:ビジネスでの依頼や指示

職場での仕事の依頼、業務的な使役には「have」が自然。

  • The manager had the team prepare the report.
     マネージャーはチームに報告書を準備させた。

  • We had the IT staff install new software.
     IT担当に新しいソフトをインストールしてもらった。

  • I had my assistant call the client.
     アシスタントにクライアントに電話させた。

使用シーン:感情や行動を強制・誘導するとき

「make」は強制的な影響や感情変化を表すときに使う。

  • The news made me angry.
     そのニュースは私を怒らせた。

  • She made him tell the truth.
     彼女は彼に本当のことを言わせた。

  • The teacher made the students redo the test.
     先生は生徒にテストをやり直させた。

使用シーン:子どもやペットなどへの許可

「let」は自由にさせてあげるような、親しみある場面で使われる。

  • I let my dog sleep on the bed.
     犬をベッドで寝かせてあげた。

  • She let her son play video games.
     彼女は息子にゲームをさせた。

  • Let the kids decide.
     子どもたちに決めさせてあげなさい。


混同しやすい理由と学習者アドバイス(SLA観点)

これら3語はすべて「〜させる」と訳されるため、意味の違いが見えにくく、混同されやすいです。
また、すべて「人+動詞の原形」をとる文構造なので、形の似ている点も混乱の原因です。

アドバイス:

  • 「させる」= make(強制)、let(許可)、have(依頼)という ニュアンスの違い に注目しましょう。

  • 日本語訳よりも、「相手の意思をどれくらい尊重しているか?」で判断すると感覚的に理解しやすくなります。


まとめと判断のコツ

要点整理:

  • have:誰かにやってもらう(依頼・指示)

  • make:無理やりさせる(強制・影響)

  • let:自由にさせる(許可・容認)

判断のコツ:

  • 自分の指示で相手に動いてもらうときは have

  • 相手が嫌がっていてもやらせるなら make

  • 相手がしたいことを許可するなら let

これらの違いを意識して使い分けられるようになれば、より自然な英語が使えるようになります。迷ったときは、「相手の意思をどのくらい尊重しているか?」を思い出してくださいね。自信を持って使っていきましょう!