「rise」と「raise」の違いって、英語学習で意外と迷いませんか?
どちらも「上がる」「上げる」といった似た意味を持っており、文脈によってどちらを使うべきか判断が難しい場面が多いです。
この記事では、「rise」と「raise」の違いや使い方を、例文とともにわかりやすく解説します。
よく使われる表現やそれぞれのニュアンス、文法的なポイントにも触れながら、判断に迷ったときに役立つヒントを紹介します。
結論から言えば、「rise」は自動詞(目的語なし)、「raise」は他動詞(目的語あり)です。
この文法的な違いが使い分けのカギとなります。
rise の使い方・特徴
「rise」は「上がる」「昇る」などの意味を持つ自動詞で、目的語を取りません。何かが自然に、あるいは自力で上がるときに使います。
【例文】
- The sun rises in the east. 
 太陽は東から昇る。
- Prices have risen sharply this year. 
 今年は価格が急激に上がった。
- He rose from his chair to greet her. 
 彼は彼女を迎えるために椅子から立ち上がった。
raise の使い方・特徴
「raise」は「〜を上げる」「高くする」などの意味を持つ他動詞で、必ず目的語を取ります。誰かや何かが何かを上げる、つまり意図的な行為に使われます。
【例文】
- She raised her hand to ask a question. 
 彼女は質問するために手を挙げた。
- The government plans to raise taxes. 
 政府は税金を引き上げる予定だ。
- They are raising money for charity. 
 彼らは慈善のためにお金を集めている。
rise / raise によく使われるパターン
「rise」と「raise」はどちらも不規則動詞で、時制によって形が変わります。これも混乱の原因になります。
| 動詞 | 現在形 | 過去形 | 過去分詞 | 現在分詞 | 
|---|---|---|---|---|
| rise | rise | rose | risen | rising | 
| raise | raise | raised | raised | raising | 
【例文】
- The balloon rose into the sky. 
 風船が空へと上がっていった。(rise の過去形)
- She raised her voice in anger. 
 彼女は怒って声を上げた。(raise の過去形)
- Unemployment has risen over the past months. 
 失業率はここ数ヶ月で上昇した。(rise の過去分詞)
用法比較表
| 観点 | rise | raise | 
|---|---|---|
| 定義 | 自然に上がる(自動詞) | 〜を上げる(他動詞) | 
| 主な意味 | 高くなる、自発的な上昇 | 意図的に高くする | 
| よく使う文脈 | 太陽、物価、感情の変化 | 手、声、価格、資金などを上げる | 
| 使用頻度や印象 | 状態の変化、自然現象 | 行動、操作、影響を与える場面 | 
| 例 | rise early, prices rise | raise a hand, raise money | 
「rise」「raise」の後に続く語
ここでは、それぞれの動詞のあとによく続く語と、その使用シーンを紹介します。
使用シーン:「日常動作や自然現象」
rise は自然に起きる上昇、または自発的な行動に用いられます。
- Smoke rose from the chimney. 
 煙突から煙が立ち上った。
- He rises early every morning. 
 彼は毎朝早く起きる。
- The river rose after the heavy rain. 
 大雨の後、川の水位が上がった。
使用シーン:「人が意図的に何かを上げる」
raise は主語が能動的に何かを高くする動作を表します。
- Raise your glass for a toast. 
 乾杯のためにグラスを掲げてください。
- They raised the flag at the ceremony. 
 式典で旗を掲げた。
- She raised her eyebrows in surprise. 
 彼女は驚いて眉を上げた。
混同しやすい理由と学習者アドバイス
「rise」と「raise」は、発音・意味ともに似ていて、さらに時制の変化がややこしいため、語彙習得初期の学習者が混同しやすい典型的なペアです。
第二言語習得理論の観点からは、意味の境界が曖昧で、かつ形も類似している語は混乱が起きやすいとされています。
対策としては:
- 目的語があるかどうかに注目 
- “by itself”(自然に)→ rise / “by someone”(誰かが)→ raise と覚える 
まとめと判断のコツ
「rise」と「raise」の違いや使い方、それぞれのニュアンスを整理すると次の通りです。
ポイントまとめ:
- rise:自動詞、目的語なし、自然に上がる 
- raise:他動詞、目的語あり、誰かが上げる 
使い分けの判断軸:
- 「何かが自分で上がる」→ rise 
- 「誰かが何かを上げる」→ raise 
例文と一緒に理解することで、正しい動詞選びができるようになりますよ。混乱しやすいペアですが、慣れれば自然に使い分けられるようになります!
 
  