「say」と「tell」どっちも日本語では「言う」だけど…違いと使い方

「say と tell の違いって、英語学習で意外と迷いませんか?」

英会話や英作文で「言う」を表したいとき、「say」を使うか「tell」を使うかで悩んだ経験がある方は多いはずです。どちらも「言う」という意味を持つ動詞ですが、その使い方やニュアンスには明確な違いがあります。

この記事では、「say」と「tell」の意味の違いや使い方、よくある文法パターンを例文とともに詳しく解説します。違いを理解して、実際の英語使用時に迷わず使い分けられるようになりましょう!

say の使い方・特徴

「say」は、言葉を発する行為に焦点を当てた動詞です。特定の相手に言うかどうかは重要ではなく、「何を言ったか」が主に問題になります。

  • 文法的には「say + 発言内容」が基本パターン。
  • 相手を明示する場合は「to + 人」が必要です。

例文

  1. She said she was tired. (彼女は疲れていると言った)
  2. He said, “I’ll be there at 7.” (彼は「7時に行くよ」と言った)
  3. What did you say to him? (彼に何て言ったの?)

tell の使い方・特徴

「tell」は、情報や命令を相手に伝える行為を表します。「誰に言うか」が重要で、相手を必ず明示する必要があります。

  • 文法的には「tell + 人 + 内容」が基本。
  • 通常、to は不要です(say とは異なる点)。

例文

  1. She told me she was tired. (彼女は私に疲れていると言った)
  2. He told me to wait here. (彼は私にここで待つように言った)
  3. Please tell her the truth. (彼女に本当のことを言ってください)

say / tell によく使われるパターン

「say」や「tell」には定番の語の組み合わせ(コロケーション)があります。

say のパターン

  • say something
  • say a word
  • say hello
  • say goodbye
  • say that…
  • say to someone

例文

  1. He didn’t say a word. (彼は一言も言わなかった)
  2. Say hello to your mom for me. (あなたのお母さんによろしく伝えてね)

tell のパターン

  • tell someone something
  • tell the truth
  • tell a lie
  • tell a story
  • tell a joke

例文

  1. He told a funny joke. (彼は面白いジョークを言った)
  2. I told her a story about my trip. (私は彼女に旅行の話をした)

用法比較表(表形式)

観点 say tell
定義 言葉を発する 相手に伝える
主な意味 発言 伝達
よく使う文脈 話した内容に注目 話す相手に注目
使用頻度や印象 フォーマル・インフォーマル両方 より具体的・命令的な場面
He said “Hi.” He told me to come.

「say」「tell」の後に続く語

このセクションでは、「say」「tell」の後にどのような語が続くかを使用シーンごとに紹介します。

使用シーン:感情を伝えるとき

say は感情表現の直接引用によく使われ、tell は感情を伝える際の背景説明に用いられます。

例文

  1. She said, “I’m so happy!” (彼女は「とても嬉しい!」と言った)
  2. He told me how sad he was. (彼はどれほど悲しかったかを私に話してくれた)
  3. I told her I was nervous. (私は彼女に緊張していると伝えた)

使用シーン:命令や依頼をするとき

tell が頻繁に使われ、say はほとんど使われません。

例文

  1. He told me to go home. (彼は私に帰るように言った)
  2. Please tell them to be quiet. (彼らに静かにするよう伝えてください)
  3. I told you not to do that! (それをするなって言ったでしょ!)

混同しやすい理由と学習者アドバイス

「say」と「tell」はどちらも「言う」という意味を持つため、第二言語習得(SLA)の観点では「意味の重なり」が混乱の原因です。特に日本語では「言う」と訳されるため、文法構造の違い(tellは目的語が必要など)に気づきにくいです。

以下の判断軸を意識すると使い分けやすくなります:

  • 「誰に言ったか」を明確にしたい→tell
  • 「何を言ったか」に焦点を当てたい→say

まとめと判断のコツ

「say」と「tell」の違いは、主に「相手の有無」と「伝える内容の焦点」にあります。

  • こういうときは say:相手が誰かは問題でなく、発言内容に焦点があるとき
  • こういうときは tell:相手に情報を伝える・命令するなど、相手が重要なとき

この違いを理解しておけば、英会話や英作文で「言う」を自然に使い分けられるようになります。自信を持って使い分けていきましょう!